借地権と税 

相続

借地権は相続することが可能です。
普通に考えてみれば分かるように、
建物所有を目的に土地を借りている場合、
居住用の建物であれば家族で暮らしていることが多いでしょう。

その場合、地主との間で賃貸借契約を結んだ父親が
亡くなったとたん、長年その建物に暮らしていた妻や子供たちが、
父親が死んで借地権は消滅したから
出て行けと言われてはたまりません。

ですから、父親が死んでも妻や子供が
借地権を相続することができます。
この点、一般的に利用されている普通借地権は、
定期借地権と違って公正証書等の書面による契約が不要で、
極端な話、口約束でも可能でした。

そのため以前は、地主や借地人の死亡による世代交代により、
貸した貸していないの争いが生じたことがよくあったようです。
契約書を見せてみろと地主側の相続人に詰め寄られても、
そんなものは見たことがない、
だけど借りていると借地人の相続人が言い争うという具合です。

もっとも建物の所有登記によって賃借権が対抗できるように
なってからは、この争いもだいぶ減っているように感じます。
相続したら直ちに登記名義の変更も
忘れないようにしたいものです。

相続税

一方で、地主の側も借地契約を相続します。
相続というのは権利も義務も承継しますから、
土地を貸すという負担も相続されるのです。
地主が死亡すれば、その相続人が土地を貸す義務を負い、
父親が死んだから借地契約なんて知らない、
出て行けとはいえないのです。

このことから相続税を算出するために財産の評価をする際、
借地は通常の土地に比べて財産評価額が低くなります。
そのため土地を多く所有する資産家などは、
相続税の支払いを軽減するために、建物所有を目的とする
借地として人に貸して節税対策を図っているケースが多いです。

借地の相続税評価額は、本来の土地の評価額から、
借地権割合を控除した額になります。
式で示すと、土地の評価額×(1-借地権割合)です。
借地権は地域によって異なり、たとえば土地の更地としての
相続税評価額が5000万円で、借地権割合が60%の場合、
借地の相続税評価額は2000万円まで下がります。

借地権割合が60%というのは決して大げさではなく、
都心部では一般的な割合です。
逆にいえばこの控除額の分が、
借地権の相続税評価額ということができます。
借地の評価割合は土地の評価額に借地権割合を
合わせたものになり、この例でいえば3000万円です。

これまでにも借地借家法の規定により、
借地権の権利は強化されており、土地を貸したらあげたものと
思えという言葉さえあると話しましたが、
これだけの価値が認められる権利になっていたわけです。
参考:阿部恵子行政書士事務所のサイト
そして地主にとってみれば、
これだけの負担が生じる土地になっています。
そのため土地は借りているものだから、資産が多いわけではなく
相続税の支払いはしなくて済むなどと考えず、
借地人もその土地の相続税評価額がどのくらいであるのか、
気にしておく必要があるといえるでしょう。