借地上の建物を増改築したいときは?

古い民家の中

地主の承諾を得る

借地上の建物は地主の建物ではなく、借地人の建物ですので建物をどうしようと勝手と思われるのではないでしょうか。
子どもが生まれて部屋が手狭になったから1部屋増築しようとか、地震による被害が恐いから耐震工事を施そうとか、お祖父ちゃんが高齢になってきたからバリアフリーに改築しようとか、古くなったから取り壊して建て直そうとか、長く住んでいれば色々と考えるでしょう。
ただし、借地契約に増改築の禁止や制限をする旨の定めがあった場合は、その制限を超えて増改築を行う場合、地主に承諾を得なければなりません。
そのため、増改築は全く自由にできるものではなく、まずは借地契約書の内容をしっかりと確認しましょう。
もっとも、何で人の建物に増改築を制限する特約なんて設けるのでしょうか。
自分の建物だし、自分でお金を払って増改築するのに、地主にとやかく言われなくちゃならないの?と思う方もいるかもしれません。
確かに建物はあなたの財産なので、どう変更しようと勝手ではありますが、その建物が建っている土地はあなたのものではないのですから、制約を受けることがあっても、ある程度は仕方ないといえるでしょう。
どのような建物を建てるかにより、土地への負担も変わってきますし、近隣へのイメージもあるかもしれません。
たとえば借地権の存続期間が満了し、契約更新を行わない場合は、借地人が地主に対して、時価で買い取ってもらうという権利が認められています。
これは借地借家法の13条に定められた建物買取請求権というものです。

建物買取請求権

建物買取請求権が行使された際、その建物がまだ新しいものであったり、当初は木造だったのが建て替えにより鉄筋コンクリートのマンションになっていたらどうでしょうか。
地主の買取費用は高額になってしまいます。
こうした事態を避けたいがために、増改築禁止の特約を設けているケースがあるのです。
また、増改築禁止の特約がある場合に増改築の承諾を得る際には、慣例的に建て替え承諾料というのが発生することになっています。
中には承諾料は取らない地主さんもいるかもしれませんが、長い借地契約において、借家契約のように更新料を取る機会は少ないですし、地代もそうは上げられないので、こういう機会にお金をもらっておこうと考える地主さんも少なくありません。
なお増改築禁止特約がある場合に、土地の通常利用の範囲を超えない増改築にも関わらず地主が承諾をしてくれず、協議が調わない時には裁判所に対して地主の許可を求めることが認められています。
これは借地借家法の17条2項に基づくものです。
また、過去の判例では、地主の許可を得ずに増改築したために借地契約を解除されたケースで、土地の通常の利用をしたなかで相当とすべき増改築であれば解除を認めず、借地人が救済された例があります。
もっともこれは結果論であって承諾を得ずに増改築を強行し、地主に不利益を及ぼしたり、信頼関係が破壊されれば、特約を守らないことに基づき借地契約が解除されるリスクがあります。
契約条項はしっかり守り、地主の承諾が必要な場合は、地主に掛け合いましょう。
その後の関係を円滑に保つためにも、裁判に訴えるよりも、まずは地主と借地人の調整経験の豊富な不動産会社や弁護士等に相談しましょう。